副腎疲労症候群|グルテン過敏症・不耐症をもう一度考えてみよう!

みなさん、こんにちは。
カイロプラティカ麻布十番|国際基準カイロプラクティック
院長の小菅一憲です。
今日は、小麦のグルテン過敏症・不耐症について、お話してみたいと思います。
私のblogでは、もう幾度となく小麦やグルテンの問題についてはお話してきましたが、今一度ここで整理して考えてみたいと思います。
さて・・・
「小麦」「グルテン」
何がそんなに問題になるのでしょう。
前回は「毛髪メタル検査」についてお話しました。そちらの記事はこちらから↓
副腎疲労症候群|毛髪メタル検査
「重金属とミネラルバランスを調べよう!」
April 5, 2019
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体調を崩して栄養療法のクリニックに行くと、まず行うのが食事療法だと思います。
アメリカでは、お腹の状態を改善するときに勧められるいくつかの食事療法がありますが、その中でも・・・
「GF」「CF」「SF」
というのは、有名なところです。
GF(グルテンフリー): パンや麺などの小麦を避ける
CF(カゼインフリー): 乳製品を避ける
SF(大豆 soy フリー): 大豆製品を避ける
とまあ、そのまんま名前通りの食事療法なわけですが、これがけっこう効果があるんです!
とくにグルテンフリーやカゼインフリーは、
副腎疲労の施術でも、何より先に取り組むと言っても良い食事療法です。
人によっては、GFCFを行うだけで、良くなってしまう人がいるぐらい。
それだけ効果があります。
カイロプラクティックの医学書を読んでも、腸の章では何よりもまず「小麦」を控えることが書かれています。
またアメリカでも「小麦は食べるな」や「いつものパンがあなたを殺す」などの本がベストセラー。最近ではテニスのジョコビッチ選手が「小麦」を控えることで世界ランキング1位になれたことも話題を呼びました。
では、なぜ小麦を食べることがいけないんでしょうか?
これには、大きくは3つの理由があります!
今日はその3つをまとめてみましょう!
小麦は腸に炎症を起こす!?
小麦はリーキーガットを引き起こす!?
小麦などの穀物に含まれるたんぱく質「グルテン」。
このグルテンの構成成分の一つである「グリアジン」というたんぱく質は、あらゆる小麦製品に含まれていますが、このたんぱく質には、実は腸壁を透過させてしまう特殊な能力があります。
みなさんご存知のように、ヒトの腸は、私たち人間が生きていくために必要な栄養を消化して吸収する場所であると同時に、免疫の要になる場所でもあります。
というのも腸には食べ物や栄養以外にも、ウィルスや細菌なども入り込んできます。そういったウィルスや細菌は、腸壁の粘膜のところから身体の内部に侵入しようとするので、私たちの免疫細胞はその粘膜のところで大勢で待ち構えています。
こういったこともあって、腸壁の粘膜では、身体に必要なものはしっかりと吸収し、逆に不必要なものや害があるものは入らないようにブロックする仕組みがあります。
この一つが「タイトジャンクション」と呼ばれるものです。
「タイトジャンクション」は粘膜上の細胞と細胞が繋ぎ合わさっている部分のことを言うのですが、腸ではその隙間は非常に狭く、栄養素の1分子ほどの小さいものしか通さないようになっています。
ウィルスや細菌、異物、そして未消化の食べ物などの大きな分子は全く通れないようになっているわけです。
しかし、この「タイトジャンクション」が何かしらの原因でゆるんでしまうと、身体の内部に異物や菌類、毒素などが入り込んできて、様々な問題が起こります。
このように腸から身体の内部に漏れて入ってきてしまうような状態を「リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)」と呼びますが、この状態になると、ウィルス、細菌、毒素、身体に不必要なもの、さらには大きな食物の分子まで入り込むことで、様々な病気につながることはもちろん、新たな食物アレルギーの原因になったり、自己免疫疾患のリスクも高くなるわけです。
ではなぜ、この「タイトジャンクション」はゆるんでしまうのでしょうか?
そう、その原因はなんと「小麦」にあるのです。
具体的には冒頭に出てきた小麦のたんぱく質の一つ「グリアジン」が犯人。
「グリアジン」は細胞膜に刺激を送り、細胞から「ゾヌリン」という成分を分泌させます。
この「ゾヌリン」という物質は、腸の細胞間の「タイトジャンクション」を締めている「クローディン」というたんぱく質の糸を溶かしてしまいます。
こうなると、腸壁のバリアーの役割を担っている「タイトジャンクション」の密着結合がゆるんでしまうというわけ。
たしかに本来、通過を良くするというのは悪いことではなく、必要なものを入れる役目も果たしています。しかし、これが毎日のように小麦を取ることで「ゾヌリン」が分泌され続けていると話は別です。過剰な「ゾヌリン」によってこの隙間が空きっぱなしになってしまいます。
この隙間から、本来入ってきてほしくないような有害物質やバクテリアが入ってくることはもちろん、グリアジンと他の小麦たんぱく質の断片が血液中に入り込んでくると、T細胞などのリンパ球がこれに反応し、炎症過程を引き起こすことにもつながります。
実際、腸内に有毒なものが一切なければ問題はないですが、食事やそれに伴う食品添加物、化学物質、重金属など、現代は有毒なものがあふれている世の中です。
リーキーガットによって次から次へと毒素が体内に入ってくると、免疫細胞が溢れかえり、過剰に反応することで、多くの炎症を起こしてしまうわけです。
もちろん、体内で炎症が起こること以外にも腸壁でも炎症は起こりますので、乳酸菌などの善玉菌が住みづらくなり、そういった菌に抑えられていたカンジダ菌などのカビ菌が蔓延ってくることは言うまでもありません。
さて、小麦のたんぱく質の1つ「グリアジン」については今お話しましたが、実は小麦のたんぱく質には、もう一つの問題があります。
小麦には「グリアジン(グルテンの構成要素)」以外にも、アルブミン、プロラミン、グロブリンなどの非グルテンたんぱく質があり、その中の「アグルチニン」(Wheat Germ Agglutinin:小麦胚芽レクチン)というも腸内に問題を起こします。
「アグルニチン(WGA)」は、消化管表面の「N-アセチルグルコサミン(NAC-glu)」と結合します。
WGAが消化管の細胞に結合すると、これらの細胞の透過性が変わります。
実は、このことによっても、リーキーガットが起こりやすくなり、さらには腸内の炎症や免疫細胞の炎症メディエーターの増加に関連していきます。
そして、これはとくに血液型がO型の人は注意が必要になります。
O型の人は、消化管粘膜表面にNAC-gluとNAC-gal(N-アセチルガラクトサミン)が並んでいるので、WGAが結合しやすいと言えます。O型の人が全てそういうことになるわけではありませんが、小麦への感受性としては他の血液型の方よりは大きい可能性があります。
グリアドルフィンが脳内でモルヒネ作用を引き起こす!?
小麦のグルテンに含まれる「グリアドルフィン」。
グリアドルフィン(Gliadorphin)とは、小麦、大麦、ライ麦などに含まれるグルテン由来のペプチドです。
ちなみに、カソモルフィン(Casomorphin)、乳製品に含まれるカゼイン由来のペプチド。
怖いことにこれらのペプチドは、ヘロインやモルヒネと構造が似ています。
またオピオイド効果を有すペプチドでもあるため、腸管から血中へと移行し血液脳関門(BBB:Blood Brain Barrier)を通過して脳内に到達すると、脳のオピオイド受容体に結合しモルヒネ様の作用を引き起こします。
特にリーキーガットが起こっているような状態だとすると、このグリアドルフィンやカソモルフィンがどんどんと体内に入ってきて、脳に作用してしまいます。
症状としては、疲労感、眠気、集中力低下、音への過敏性、言語障害、知覚異常などが生じやすくなります。
ただ、これらの未消化ペプチドは、脳に入っても次第に出ていき、最終的にはなくなるので、小麦や乳を食べないようにすれば、脳も回復出来ます。
問題になるのは、やはり毎日継続的に小麦を食べているケースになります。
小麦は興奮毒素である「グルタミン酸」を大量に含んでいる!
「グルタミン酸」。
Glutamic Acid、Glutamate、MSG(Monosodium glutamate)などと呼ばれていますが、この「グルタミン酸」元はと言えば、小麦グルテンの加水分解から初めて発見されたこともあり、この名前が付いています。
グルタミン酸は、必要なアミノ酸でもあるのですが、多くなり過ぎると問題を起こします。
過剰なグルタミン酸は、脳内のNMDA受容体を刺激することで、神経の炎症を招き、最悪は神経細胞死を招く可能性もあります。
神経細胞の再生には最低でも9ヶ月かかると言われるので、神経細胞死はなるべく避けたいところ。
とくに視床下部、海馬のニューロン、プルキンエ神経細胞にダメージを受け、過剰なレベルのグルタミン酸は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、脳卒中、多発性硬化症ALS、自閉症などの神経疾患に関連していると言われています。
過剰になってしまうと怖い「グルタミン酸」。
食品の中でも非常に多く含む食べ物が、何を隠そう、実は・・・小麦 と 乳製品 なのです!
なんと!
小麦グルテンの43%が「グルタミン酸」、
乳カゼインの23%が「グルタミン酸」、
です!
このようにグルタミン酸によって、最悪の場合、神経細胞死が起こりますが、身体の中での炎症も大きくなります。このことによって過敏性腸症候群やLGS(リーキーガット症候群)に繋がる可能性もあります。
とくに、副腎疲労の人は身体に何かしらの炎症があるので、グルタミン酸が過剰にならないようにしたいです。
グルタミン酸とバランスを摂っているGABA。
そして、グルタミン酸をGABAに変換している膵臓。
こういったことも実は深く関係しています。
小麦によってお腹の調子が悪くなれば、腸内細菌叢が崩れ、ビタミンKが不足します。
ビタミンKが不足すると、膵臓の働きが悪くなり、血糖調節障害が起こりますが、グルタミン酸とGABAのバランスも崩れます。
血糖調節障害やグルタミン酸↑GABA↓によって、精神不安定が起こるのは想像できることでしょう。
このように何重にも問題を起こしてしまう・・・
小麦!グルテン!
ちょっと怖くなりましたか?
実際には、昔から小麦がそんなに問題を起こしていたわけでありません。
小麦の先祖と言われている「ヒトツブコムギ」や「フタツブコムギ」などでは、そこまで問題が起こっていなかったと考えられています。
それは、「現代の小麦」より明らかにグルテンの含有量が少なかったからでしょう。
小麦に限ったことではありませんが、現代の農作物は本当に数多くの人工的な交配や品種改良を重ねて、作られています。その過程の中で、害虫に強くするためにグルテン含有量を多くし、さらに人の食欲や購買意欲を高めるために糖質の含有量も格段に増やしました。
こういった人の手がたくさん加わった現代の小麦は、自然なものとはかけ離れています。
現代小麦が、アレルギーや過敏症、不耐症を引き起こし、さらにはその糖質によって血糖値を引き上げ生活習慣病の原因にもなっていると言えます。
「糖質」と「グルタミン酸」の含有量が多いということは「糖質」による血糖値の乱高下と「グルタミン酸」による脳の興奮によって人は惑わされ、小麦をさらに求めるようにもなります。
食べるとさらに欲しくなる小麦。
小麦の誘惑は強いものです。
今日は、小麦のグルテン過敏症・不耐症についてお話しましたが、気になる方はまず2週間小麦を抜いてみましょう。そして、その後に小麦を食べてみて、身体の状態がどうなるかを確認してみてください。
小麦を抜いた2週間がとても調子が良く、その後小麦を食べた後に明らかに体調が悪くなれば、あなたは小麦に何かしらの問題を起こしている(小麦に過敏性がある)ということになります。
当院でお勧めして、GF(グルテンフリー)を始めた方の中には・・・
10年来のお腹の調子悪さが全くなくなり、身体の疲労感も大きく改善した方。
長年悩んでいた偏頭痛や体調不良が改善し、お腹を壊すことがなくなった方。
アトピーや花粉症などのアレルギー症状がなくなり、寝起きがとても良くなった方。
腹部膨満感や逆流性食道炎の症状が出なくなった方。
などなど・・・。
たくさんの改善例があります。
私も、もうかれこれ10年近くGFCFを実践しているのですが、よく出ていた蕁麻疹が全く出なくなり、花粉症も改善、お腹の調子も良くなり、副腎疲労も回復に向かいました。
これ、嘘みたいですが、本当の話。
まさにテニス選手のジョコビッチが経験したことと同じようなことが私にも起こったのです。
先日、外出時にもう何年も食べていなかった、ラーメンを少しとパンを食べる機会がありました。
普段は絶対食べないのですが、少し魔が差したのです。
食べた量はさほど多くないものの、その後の1週間。
とくに最初の5日間は、びっくりするほどの体調の悪さでしたね。
その日の夜は、お腹にガスが溜まり、おならの量がすごい。笑。
その後の5日間。
何が起こったかと思うほどの気だるさと身体の重さ。
朝から身体を動かすのが辛く、頭も重たく何も考えられないぐらい。
もちろん、便の調子も悪かったのです。
しかし、6日目の朝、便を出して、ほとんど全ての小麦が身体の外に出たのでしょう。
そうするとどうでしょう。
打って変わったかのように身体はスッキリし、頭もクリア。
気持ちは晴れ晴れして、やる気が次から次への湧いてくる感じ。
いやー。
再確認しましたね・・・
小麦は取っちゃいけない!
って。
小麦の害は、知らないうちに身体に大きく作用しているかもしれません。
私たちはこの道のプロフェッショナルです。
もしかしたらと思った方。
GFに興味がある方。
身体をチェックすれば、今のあなたの状態もわかります。
ぜひ、ご相談くださいませ。
小菅 一憲
カイロプラティカ麻布十番|国際基準カイロプラクティック
当サロンは、どこに行っても良くならなかった症状で悩む方がたくさんご来院されています。
低血糖症
慢性疲労
食物アレルギー
リーキーガット症候群
甲状腺機能低下症
腹部膨満感
過敏性大腸炎
逆流性食道炎
うつ病
自閉症・発達障害
などなど・・・
こういった症状では、本当に長い間辛い思いをされている方が多いと思います。
カイロプラティカでは、みなさまに笑顔になってもらいたい一心で、
いつでも温かく親身な施術とカウンセリングを心がけております。
どんな症状でも一度ご相談くださいませ。