栄養のセミナー|「リウマチ」というテーマから考える「遺伝と病気」


身体のメチレーションネットワークをイメージした絵|副腎疲労HP

みなさん、こんにちは。

カイロプラティカ麻布十番|副腎疲労専門カイロプラクティック

院長の小菅一憲です。

一昨日になりますが、

知っ得ゼミナールにてセミナー講師をしてきました〜。

今回のテーマは、

「リウマチ」

当院には、リウマチのクライアントさまはあまりいらっしゃってはおりませんが、関節痛で悩む方は多いですし、「遺伝と病気」の関係など、みなさんに知っていただきたいこともありますので、こちらで簡単にご紹介させていただきます^^。

ちなみに前回のセミナー記事はこちら↓

「脳の健康と栄養」のセミナー

「脳の健康と栄養」のセミナー

September 9, 2017

写真をクリックしてください

「関節リウマチ」は、

免疫の異常により、関節の滑膜という組織(関節の内面をおおう膜)に慢性的な炎症が起こり、主に手足の関節が腫れたり痛んだりする病気です。

人の身体には、細菌やウイルスなどの外敵から身体を守る仕組みがあります。

この仕組みを免疫と言いますが、それが異常を起こし、自分自身の細胞や組織を敵と認識し攻撃してしまうものが「自己免疫疾患」と呼ばれています。

「自己免疫疾患」には様々な種類がありますが、関節を守る組織や骨、軟骨を外敵とみなして攻撃し、壊してしまうのが「リウマチ」です。

本来であれば、自分を守ってくれる免疫が、自分を攻撃してくるのですから・・・

それはそれは厄介な病気

なんです。

自己免疫疾患では、免疫システムの異常によって本来正常な自分の組織を攻撃するため、身体の様々な部分で炎症が起きます。

炎症とは、体の一部が障害を受けたとき、それを修復しようとして働く反応ですが、リウマチは関節内で何らかの原因で炎症が起こり、それが滑膜を増殖させて、関節の破壊や変形が起こると考えられています。

進行すると、骨や軟骨が壊れて関節が動かせなくなり、日常生活が大きく制限されます。

また炎症は、関節だけでなく、目や肺などの全身に拡がることもあります。

ちなみにリウマチのかかり始めには、熱っぽい、からだがだるい、食欲がないなどの症状が続いたり、朝方に関節の周囲がこわばることがあります。

その後、小さな関節が腫れ、やがて手首やひじ、肩、足首やひざ、股関節など全身の関節に拡がっていきます。

日本のリウマチのクライアントの数は、70万人とも100万人ともいわれ、毎年約1万5000人が発症しています。

全人口からみた割合は0.5~1.0%で、この割合は海外でもほぼ同じとされており、地域による大きな差はありません。

年齢別にみると、30~50歳代で発症した人が多く、男女比では人口1000人あたり女性5.4人、男性1.1人と、女性に起こりやすい病気でもあります。

「ではなぜ、自己免疫疾患の一つ関節リウマチが発症してしまうのでしょう?」

いろいろと研究が進んでいるのですが、

現在わかっていることはこんなこと・・・。

1.

リウマチのクライアントの70%が、ヒト主要組織適合遺伝子複合体(HLA)のHLA-DR4という型を持っている

2.

性ホルモンのアンバランスによってリウマチが起こる?

3.

リウマチのクライアントの8割が、IgGのFc領域に対する自己抗体(リウマトイド因子)を持っている

4.

DNAに対する自己抗体を持っている

5.

軟骨に存在するⅡ型コラーゲンに対する自己抗体を持っている

・・・

いろいろ難しいことが書いてあると思いますが、2番を除いてどれも免疫の抗体が自分を攻撃してしまう要素を持っているということ。

この中の1つを簡単に説明しますが、

1番目のヒト主要組織適合遺伝子複合体「HLA」というのがありますね。

これは、白血球のタイプのことなんですが、リウマチの原因の一つとして白血球の型と関係があることがわかっています。

白血球のタイプは「HLA」と呼ばれ、このHLAには270種類もの数があるのですが、なんとリウマチのクライアントの70%が「HLA-DR4」という型の白血球タイプを持っています(一般の人の陽性率は約30%)。

そして、HLA-DR4陽性の人がリウマチになる危険率は、陰性の人の4~5倍にもなり、病気も重症になりやすいと言われるぐらい。

正常ではない形をしているタンパク質(異物)が存在すると、免疫システムの役割を担っている「HLA」という物質が反応します。

HLAは異物を「自分の組織ではない(非自己)」と認識してその情報をリンパ球へ伝えます。

そしてHLAから情報をもらったリンパ球は異物を攻撃するように働いていくことになります。

このように「HLA」は免疫において、かなり重要な役割を持っているわけです。

ちなみに、この「HLA」という物質は、両親から一つずつ遺伝して2つの分子で構成されています。

リウマチのクライアントの場合は、遺伝的に人とは少し違うタイプのHLAを持っていると言えるでしょう。

このように考えてくると・・・

リウマチは遺伝だからしょうがないのかな・・・?

と考えてしまいがちですが、

ここは自信を持って言います。

それは断じて違います!

もちろん、このHLAのタイプを持っている人の方がなりやすい要素は持っています。

しかし、このような遺伝子因子が考えられるとしても、それだけでは病気にはなりません。

外から加わる環境的な因子があって、初めて発症すると言えます。

リウマチの場合は、感染等のほかに、外傷や精神的なストレスが加わったとき発症するのではないかと考えられています

たとえば・・・

このHLA-DR4という型は、関節の中のタンパク質(アルギニン)がシトルリンに変換(シトルリン化)されたものに対して、高い親和性を示し結合することで、これに対して免疫の攻撃がスタートするといわれています。

そして、このシトルリン化は「PG菌」という菌が持つ シトルリン変換酵素 によって起こると言われていますが、この「PG菌」。

関節以外にも存在するところがあるんです。

それは・・・なんと・・・ 歯 です!

実は「歯周病」と「関節リウマチ」の関連性は、以前から研究されていて、このPG菌はまさに歯周病を起こす菌。

そして、歯周病の人は3倍もリウマチにもなりやすいと言われています。

さらに歯周病が改善すると、リウマチの状態も回復しやすくなるとも言われています。

こう考えていくと、もちろん体質もありますが・・・

歯周病は、食生活や栄養バランス、ストレス、生活習慣が大きく関わってくるもの。

大げさに言えば、たとえ「HLA」の変異型を持っていたとしても、食事やストレス、生活習慣によっては、かたやリウマチになって辛い思いをする人と、逆に全くリウマチのことを知らずに過ごす人が出てくるわけです(もちろん、歯との関連だけではありませんが・・・)。

わかりますでしょうか?

遺伝で全ては決められない!

ということです。

実際・・・

関節リウマチの発症原因の40%程度が遺伝子によるものと考えられていて、

残る60%が、人体にかかる様々な環境ストレス因子が原因と言われています。

ただ、私はここら辺のパーセンテージがどのぐらいかというのは、正確にはわからないと考えています。

副腎疲労のテーマで、以前お話したことがありますが・・・

人の健康や病気になるかは、以前は遺伝的な要素が50%、その後の生活環境要因が50%と言われていました。

しかし、ここ何年かは、遺伝的要素は20〜30%で、環境要因が70〜80%なのではないかと言われるぐらいになりました。

糖尿病なども遺伝的要素がありますが、糖尿病になるかどうかは、その後の食生活やストレス、運動なども関わりますよね。

遺伝的要素があることは、

ピストルに弾が詰められている状態。

その引き金を引くかどうかは、

私たちがどんな生活、大きく言えばどんな人生を歩んでいくか

なのです。