中高年のうつ症状に必要な「ナイアシン」

今日は、水に溶ける水溶性ビタミン「ナイアシン」のお話です。
みなさん「ナイアシン」と言われて、ピンとくる方はなかなか居ないかと思いますが、実は体内で最も多く存在するビタミンB群(VB3)の仲間です。
ビタミンB群と言われると「皮膚に良さそう!」なんて思いますよね。
その通り!
ナイアシンは主に体内で 補酵素 として働いており、皮膚や粘膜の健康維持を助けてくれるのです。
特に細胞内のミトコンドリアで、糖質・たんぱく質・脂質からエネルギーを作り出す過程で重要な役目をしており、体内で必要なエネルギーのうち6〜7割 はナイアシンの働きによって生み出されていると言われています。
また、二日酔いの元になる アセトアルデヒドを分解 する時も補酵素として働いています。
普段から大量にお酒を飲む人はナイアシンが沢山使われる為、もしかしたら欠乏しているかもしれません。
他には、脂肪酸やステロイドホルモンの生合成、DNAの修復や合成、細胞分化などなど・・・
本当に様々なことに関与しているのです。
ナイアシンの欠乏症で有名なのは・・
「ペラグラ」
という皮膚の病気が知られています。
主な症状としては発疹ができたり、皮膚がうろこ状に荒れてしまうなどといった皮膚症状、消化不良や下痢などの消化管症状などがあります。
とうもろこしを主食とする 中南米 で多く見られる病気で、ナイアシンのもととなるトリプトファンの含有量が少ない食事が原因とされます。
と・・・ナイアシンのことを調べると、このようなことが書かれているのがほとんどです。
でも、それだけはありません。
中高年のうつ症状に必要な「ナイアシン」
ナイアシンはニコチン酸とニコチンアミドの総称で、必須アミノ酸の トリプトファン から作られます。このトリプトファンはナイアシンの他に、リラックスホルモンと言われているセロトニンも作っています。高齢になると、このセロトニンが減少して「うつ」になりやすくなると言われているのです。
実は、加齢 とともにトリプトファンが血液中に過剰になくてもトリプトファンを酸化させてしまい、活性を低下させてしまう IDO(indoleamine 2,3-Dioxygenase)という酵素が増えてしまうことがわかっています。
それなら、トリプトファンを沢山摂取すればいいのでは・・・?
と思うかもしれませんが、血液中のトリプトファンが過剰になると、とそれはそれで肝臓で、TDO(tryptophan 2,3-Dioxygenase)という酵素が働いて、トリプトファンを酸化して、水や二酸化炭素などに分解し過剰になるのを防ぐのです。
では、どうしたら良いの?
って思ってしまいますよね。
ここで登場するのが「ナイアシン」。
ナイアシンを摂取することによって、IDOやTDOによってトリプトファンの働きを阻害されるのを防いでくれるのです。既に1979年にはこの仕組みを利用して、中高年のうつに有効であるという研究データがあるそうです。
また、ナイアシンは 肉類、魚介類、豆類、キノコ類、緑黄色野菜 などさまざまな食べ物に含まれているので、通常の食生活をしていればほとんど不足することはありません。
たんぱく質にはトリプトファンも含まれているので、同時に摂取できるメリットもあります。
熱に強く加熱による損失はありませんが、水溶性ビタミンなので茹でたりすると溶け出してしまうため、調理には工夫が必要です。スープにしたり汁物にすると良いかもしれません。
ただし、サプリメントとして摂取する場合は、自己判断ではなく指導者の下で摂取するようにしてくださいね。
気になる方は、是非ご相談お待ちしております。
小菅美保
カイロプラティカ麻布十番|副腎疲労専門カイロプラクティック